熊本で相続税のご相談をよくいただいている税理士の浦です。
今回は、令和6年12月に熊本国税局が発表した「令和6年6月末までの1年間の熊本県内の相続税申告における申告漏れの財産が合計約12億6200万円にのぼった」というニュースについてお話ししたいと思います。驚くほど大きな金額ですよね。
(詳細な熊本国税局の記事は、「令和5事務年度における相続税の調査等の状況(熊本県版)」をご確認ください。
https://www.nta.go.jp/about/organization/kumamoto/release/r06/sozoku_chosa/pdf/kumamoto.pdf)
「こんなに申告漏れが出るの?」「私たちには関係あるのかな?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。記事によれば、相続税の税務調査が入ってしまった方のうち、77.5%の方が否認されて、追徴課税されております。
平均すると1回の税務調査で323万円の追徴課税がされたそうです。とても怖いですね。
相続税の制度は、いろいろな財産の評価や特例の使い方など、普通の税理士事務所でも慣れていない作業が山ほどあるんです。
特に、相続人が複数いるケースや不動産を多くお持ちのケースでは、財産評価をどうするかだけでもかなり難しくて、手続き中に「あれ? これってどうすれば揉めない相続となるの?」となってしまうことが珍しくありません。
こういったケースでは、単純に「財産を分けて終わり」ではなく、特例等の適用を踏まえて、誰が何をどのように相続するかをしっかり決めて、その評価額を正確に申告する必要があります。
「細かい書類が多くて整理しきれない…」とか、「これって何か特例が使えるのかな?」という疑問を後回しにしていると、気づかないうちに申告漏れになってしまうことがあるんです。
また、大切な財産をめぐって揉めるのは、故人の意向とはまったく逆の結果になることも多いです。
申告漏れで怖いのはペナルティだけじゃない
申告漏れが発覚すると、追徴税や加算税、延滞税などのペナルティがかかる可能性があります。
でも、それだけじゃなくて、相続手続きの最中に「あれも申告してなかった」「こっちの分割協議はどうする?」と揉める原因になることも少なくありません。
例えば相続人名義の預金だったとしても、被相続人の相続財産だと認定されてしまうと、その預金も遺産分割協議の対象になってしまいます。相続税の申告をするときは、その預金が被相続人の相続財産であると判定するのに多くの時間を要します。そのため、限られた時間で話し合う必要があり、一歩間違えると相続人同士で揉める可能性があります。
被相続人が残してくれた折角の財産が原因で家族がギクシャクしてしまうのは、本当に悲しいですよね。
故人が望んでいたのは、きっとご家族の「幸せな相続」だと思うんです。だからこそ、あらかじめ専門家に相談して、しっかりと手続きを進めておくことが大切なんです。
早めに対策を考えておけば、節税の選択肢も広がりますし、申告漏れも防ぎやすくなります。
早めの行動で安心・スムーズな相続を
熊本国税局のデータからもわかるように、相続税の申告漏れは金額が大きく、意外と身近な問題です。特に熊本だと土地や借地権といった不動産の評価が難しいケースも多いので、申告漏れリスクを減らすためにも専門家によるサポートが欠かせないと感じています。
「相続税がどれくらいかかるのか見当もつかない…」という方や、「手続きがややこしくて不安」という方は、ぜひ一度、私たちのような相続税に強い税理士にご相談ください。
早めに動き出すほど、皆さまのご負担も軽くなります。大切な財産を守り、家族の絆を守るために、一緒にしっかり対策していきましょう!