熊本で相続税申告ならGrowth（グロース）税理士事務所の税務調査対策

相続財産の合計額が基礎控除を下回る場合には、相続税の申告義務はありません。生命保険金等の非課税枠の適用後の金額で判定されますので、多くの方にとって相続税の申告義務がないということが多いです。
ただし、相続財産の合計額が基礎控除を上回る場合には、当然に相続税の申告・納税義務が生じます。下記の通り、税務署は、給与を支払う会社が提出する支払調書や、毎年の確定申告等によって、相続税がかかりそうな方のリストがあるようです。仮に、相続税の申告義務があるにもかかわらず、相続税の申告をしていなかった場合には、追徴課税で本税だけでなく、ペナルティの税金の支払義務も生じます。また、相続税申告をしていないことによって、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減といった大きな節税ができる特例が受けられない可能性もあります。
小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減といった特例を適用すれば、相続税が0円となる方も多いため、そのような場合には、ぜひ相続税申告をされることをおすすめします。

相続税申告を税理士に依頼せず、自分で申告した人は調査されやすい傾向があるようです。
相続税の申告書には税理士の名前を記入する欄があり、また税理士が相続税申告を提出する場合には、税務代理権限証書という委任状も併せて提出するのですが、その書類の提出がない場合には、税理士のチェックが入っていないということで、相続税申告書に誤りがある可能性が高いと判断されるようです。
土地の相続税評価額といった相続財産の評価のみならず、下記にも記載している名義預金や生前贈与の考え方については、一般の方に馴染みがなく、誤った相続税申告となる可能性があります。

税務署は被相続人や相続人等の預金について、各銀行に直接アクセスして、それぞれの預金の取引履歴や顧客勘定元帳を確認することができます。特に、被相続人や相続人等の預金の入出金が多い場合には、それが生前贈与として疑われる可能性もあり、また被相続人の預金から多額の出金がされている場合には、いわゆるタンス預金の計上漏れ等を疑われる可能性があります。
以前ご相談いただいた方にも、被相続人の預金を相続人が管理しており、その管理をしている状況で1億円以上の出金をされている方がおられました。もちろん、その方については手許現金等として相続財産に計上しております。そのような出金は税務署も目をつけやすいポイントです。一度に何百万円、何千万円といった出金をしているわけではなく、ATMの限度額である50万円の出金を何度も何度も繰り返した結果、1億円以上の金額になったのです。
1億円とはいかなくとも、同様にATMの限度額である50万円の出金を何度も繰り返しされる方は多くおられます。そのような場合においても、適正な相続税申告をしていれば、税務調査がくるのを下げられる可能性は高まります。税務調査対策のされた相続税申告をすることが税務調査を回避するポイントです。

名義預金とは、被相続人名義の預金ではなく、その被相続人のお子様（相続人）やお孫様名義の預金ではあるものの、その原資は被相続人であって、生前贈与等の認定がなされない預金のことです。そのような預金については、相続税の申告上はその被相続人のお子様（相続人）やお孫様名義の預金とは扱われず、被相続人の預金として相続財産に計上する必要があります。
例えば、被相続人が将来お孫様が大きくなったときの教育資金のため、お孫様名義で預金口座を作成し、そのお孫様名義の預金は被相続人が管理し、毎年110万円を生前贈与したことにしている、というようなお話は何度もお伺いしたことがあります。そのような預金はわかりやすく、通帳を確認すれば使った形跡がほとんどなく、入金ばかりになっているケースが多いです。
名義預金という考え方は、一般の方には馴染みのない考え方ですので、もしご存じでない場合にそのような預金があるときは、相続税の税務調査にくる可能性が高くなります。名義預金は、追徴課税となる方が多く税務調査においてよく注意しなければいけないポイントの一つです。

税務調査の対象となる方は基本的にランダムですが、税務署においては独自のリストがあるようです。
なぜ税務署にそのようなリストが作成できるかというと、いくつか要因があります。例えば、会社から一定金額以上の給与をもらっている方は、その給与を支払っている会社から税務署に対して、支払調書という報告書を毎年1月に提出する義務があります。不動産を売却された方や、その相手方で仲介料が支払われる場合に、その相手方が事業をされている方であるときには、同じく支払調書を提出する義務があります。一定金額以上の保険金を受領した場合にも、保険会社は、税務署に対して支払調書を提出する義務があります。
他にも、賃貸不動産を所有されている方は毎年確定申告をしてるはずです。また、株式を売却された方についても、特定口座で申告不要を選択していなければご自身で確定申告をしているはずです。これらのような情報が税務署内のシステムに蓄積されているようです。
ある程度の税務調査の対象者がシステムで選定され、後は税務署の担当の方が、その蓄積されたデータに基づいて算定されるであろう相続税額と実際の相続税額に乖離があると判断した場合等に、税務調査が実施される可能性があるようです。

相続対策として、生前贈与を活用される方は多いですし非常に有効な方法です。ただし、多額の生前贈与をしているにもかかわらず贈与税の申告をしていなかったり、その生前贈与が贈与として認められないようなお金の動きをしている場合には、税務調査が入り追徴課税となる可能性が高くなるといえます。
生前贈与を実行する場合には、受贈者の生活費口座に贈与する等、適正なお金の流れにする必要があります。相続時精算課税の基礎控除ができたことによって、生前贈与については今後ますます注意する必要が生じます。

相続税申告書の内容に相続税の計算間違いや明らかな相続財産の計上漏れがある場合には、税務調査が入る可能性は高くなります。
例えば、相続時精算課税制度という制度を適用して生前贈与をされた場合には、それが10年以上前の贈与であったとしても、相続財産として計上する必要があります。にもかかわらず、相続時精算課税適用財産について、相続税申告書に記載がなければ税務署から連絡がくる、といったようなこととなります。簡単な行政指導で済めばいいのですが、そのような明らかな相続財産の計上漏れは、税務調査を誘発する可能性もあります。