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生前に被相続人の預金口座から多額の出金をしていた事例 Sozokuzeishinkoku

Sozokuzeishinkoku

生前に被相続人の預金口座から多額の出金をしていた事例

前提条件

・被相続人:母(熊本市)
・相続人:長男(熊本市)(ご相談者様)、二男(熊本市)、長女(鹿児島市)

ご相談内容

・長男様(ご相談者様)よりの母の相続税申告のご依頼
・お母様は晩年、認知症のため、熊本市の老人ホームに入居していました。また、長男様がお近くにお住まいだったこともあり、10年以上前から、長男様がお母様のお金の管理を行っていました。
・長男様は、ご友人からのお話や、相続税に関する書籍で情報収集し、生前贈与をすれば相続税の節税になると整理し、お母様が認知症になられた後、お母様の銀行預金より、ATMの限度額50万円を定期的に出金し、お母様の生活費を賄い、また、各相続人の口座に入金して、生前贈与と整理しておりました。その総額は5000万円を超えます。
・お母様の相続税申告にあたって、当該出金のうち、各相続人の口座に入金した金額については全て贈与と整理して進めてもよろしいでしょうか?

当事務所のご対応

贈与とは民法上の法律行為となります。財産を渡す人が、自分の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、財産をもらう人が受諾することによりその効力が生じます。
長男様が各相続人の口座に入金した金額については、お母様の承諾なく入金しており、また、お母様は認知症で、長期間老人ホームに入居されていたとのことですので、お母様の意思で贈与がされたと整理することは難しい状況でした。
一方で、お母様の生活費については、お母様のために費消されたお金であるため、お母様の銀行預金より出金したお金の全てについて、相続税が課税されるのはおかしいものと考えます。幸いにも、長男様がお母様のために費消されたお金についてメモ書きを残しており、また、全てとはいえないものの、領収書等も多く保管されていらっしゃいましたので、合理的な金額を算出し、当該金額については、相続財産には含めないものと整理しました。
お母様のために費消したお金ではなく、各相続人の口座に入金した金額については、預け金として、相続財産に計上して、相続税申告書を作成しました。
今のところ、提出した相続税申告についての税務調査はきていませんが、仮に税務調査がきたとしても、毅然とした対応をすることができる相続税申告とすることができました。併せて、相続人の方ご自身の相続対策のため、適切な生前贈与の方法をアドバイスいたしました。

担当税理士のコメント

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